一億三千万人のための小説教室

一億三千万人のための小説教室

高橋源一郎(2002)

岩波新書

要約

表現方法やレトリックなどの文章そのものではなく、小説の在り方、小説とは何かを考えるところから始まる小説教室。著者は、バカとは、周囲とものの見方が異なっており、それゆえに孤立し、自分だけの世界を歩み続ける人としている。そしてそういう人が小説を書くことができると作者は主張する。

感想

書きあぐねている人のための小説入門を読んだばかりだから、刺身を連日食べているような気分になって、良い本なんだろうけどあまり入ってこなかった。ハレとケのように、良書も感覚を空けて読むほうが良いのかもしれない。

とはいえ学びは十分にある。文章を書いた人にとっての世界を考える、目から鱗でもなんでもないが、私はついつい自分自身と照らし合わせた読み方ばかりするので定期的に読んで思い出したい話である。

それから、文章と遊んでみる。これも良い。

私は、本・読書には一対一で向かい合っているような感覚がある。読む者と読まれる者、勇者と魔王のような対峙している雰囲気がある。だからこそ、文章と遊ぶという感覚は、私にはないとても自由でのびやかな発想で面白い。大事にしたい感覚。

おわり。いつもより雑だが、こういう日もあるということで。