え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?

え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?

下城米雪(2021)

PASH!ブックス

要約

社内システムをコスプレしながらワンオペで管理している主人公は、社内の働き方改革により解雇されてしまう。失意の彼女は偶然、プログラミングスクールを開講しようとしている幼馴染に出会い、講師として招かれる。相変わらずコスプレしながら働く主人公と、残されたワンオペシステムに翻弄されるかつての会社が織りなすエンジニアコメディ。

感想

王道展開に次ぐ王道展開、エンジニア小ネタも手垢がついたものが多いけど満足度が高かったのは、私自身エンジニアだからかもしれない。あるいはライトノベル(の分類でいいよね?)を読むのが初めてで新鮮だったからかもしれない。

王道展開ゆえに結末がどうなるのかある程度の予測がつくし、実際それが当たるのだが、それでも読んでいて楽しいのは作品に力があるからだと感じる。それから、結末がわかっていても楽しめるというのは古典落語に通じるところがあるようにも思う。再読に耐えうるかは微妙なところだが……。

また、内容と関係ないところになるが、ライトノベルで読みやすいがゆえに頁をめくるスピードが速い。それゆえ、なんだかいつも以上に「読んでいる感覚」が大きく、「読むこと」それ自体を楽しめたように思う。

以上、さくっと満足。良書でした。