フラットランド
エドウィン・アボット・アボット, 竹内薫(2017)
講談社選書メチエ
要約
二次元の世界に住む存在が、自身の住む世界の理を説明し、一次元のラインランド、三次元のスペースランドと出会い、四次元のソートランドについて考える物語。
感想
発想の自由とは何たるか、自分がいかに三次元に縛られているかがよくわかる画期的な本だった。めちゃくちゃ面白い。
蓋し本書は、人間が四次元をなぜ理解「できないか」に焦点が当たっているからこそ面白いのだと思う。
四次元以上の空間が存在するというのは2024年現在ではほとんど常識に近い認識となっているが、あくまで蘊蓄止まりであるように思う(学者を除いて)。
だからこそ、なぜ理解「できないか」をしっかりと理解することによって、四次元やそれ以上の存在が蘊蓄でなく本当に実在するのだろうと、実感を持つことができるようになった。
レイシズムたっぷりなのが頂けないが(改訂版なのに修正しきれていないじゃんとつっこんでしまったくらいにはひどい)、文字通り発想の転換となる面白い本。