台湾漫遊鉄道のふたり
楊双子, 三浦裕子(2023)
中央公論新社
要約
不要。
感想
うわ~~~~~~~~~~~!!!!!
うわ~~~~~~~~~~~!!!!!
うわ~~~~~~~~~~~!!!!!
なんだこれ~~~~~~~~~~!!!!
情緒が、情緒がおかしくなっちゃうよ。
すごいね、これ。
訳者あとがきにて「サービス精神旺盛な一作」とあるがまさにそうで、何から語ればよいかわからない。
何から語ろう、何から語ろう????
満点に近い作品だと思う。
まず、読んでいて楽しい。たくさんのおいしそうな食べ物が登場するのみならず、それらを勢いよく平らげる様子は読んでいてとにかく楽しい。ごはんを口にかきこむようにページをめくることができる。まさに、食べるように読んでいる。脳が、文章をむしゃむしゃと食べている。
次に、世界観の作りこみが徹底していて素晴らしい。一朝一夕で為せる技ではないし、どれだけ想像力が豊かであってもこうはならない。歴史と文学を研究されている方だけあって、広く、深い素養が惜しみなく注がれている。彼女たちにしか書けない作品である。
そして、千鶴と千鶴子の深い愛情、悲しい愛情。百合好きを自称しているのに、安易ないちゃいちゃに向かっていない。しかし純愛。彼女たちの感情を邪魔するのは、社会であり、国であり、身分であり、性別であるが、彼女たちの互いを想う感情は純粋で美しい。だからこそ、彼女たちの悲しい顛末とあとがきで語られる後日談を読んで涙が零れる。
文章でも、世界観でも、キャラクターでも、感情でも、景色でも、食べ物でも魅せてくる非の打ち所がない作品でした。すごい。出会えてよかった。