感想
ただ、ただ、心地よい。「意味より響きに引っぱられやすい(p.31)」方による、ふんわりやわらかな読み味の作品集。本当に良い作品に対しては、感想なんて出てこなくて、むしろ言語化なんてしたくないと強く思う。言語化はとどのつまり、抽象的で不定形の感情や情動を、言葉という鋳型に無理やり押し込める作業とも言えるわけで、好きになった作品をそんな目に遭わすのは、どうにも気が引ける。優等生に恋をしたヤンチャな生徒が、その人を大切に想うばかりに、あえて自分のテリトリーから遠ざけてしまうあれに近い。違うかもしれない。
とりあえず、本記事はこれにて終了。サイト開設して以来、ここまで短い記事は初めてかもしれない。でも、本作はすごく良かったということだけ、念のため書き添えておく。すごく、良かった。