LITTLE WOMEN

原文

LITTLE WOMEN by LOUISA M. ALCOTT

訳文

 「クリスマスは両親がいないとクリスマスじゃないわ。」ジョーは不満げに呟いた、絨毯に寝そべりながら。
 「貧乏すぎてやんなっちゃうわ!」メグはため息をついた、自身の古びたドレスを見下ろしながら。
 「不公平ったりゃありやしない、素敵で充実した時間を過ごしている女の子だっているのに、かたや誰かさんちの女の子にはなんにもない。」エイミーが付け加える、膝小僧は擦りむいている。
 「みんな、お父さんとお母さんはいるのにね」ベスが満足気に言った、部屋の角から。
 暖炉の灯に照らされた四つの年若い顔が、元気な言葉で明るく光るも、再び暗くなり、ジョーは悲しげに呟く。
 「私たちにはお父さんがいないし、これからもしばらくはいないよ。」ただしこうは言わなかった「たぶん永遠にね」。だが、皆めいめい静かに同意し、父親に想いを馳せた。遠くの地で戦う父親に。
 少しの静寂があって、それからメグは調子を変えてこう言った。
 「お母さんが今年のクリスマスはプレゼントなしにしちゃったもんね、みんなにとって大変な冬だからって。楽しいことにお金をかけるべきじゃないんだってね、男の人たちが兵隊さんで苦しんでるからさ。私たちは戦えないけど、でもちょっと我慢するくらいならできるし、喜んでやんなきゃね。私はやだけど。」彼女は頭を振りまわした。欲しかったもののことを惜しみながら。
 「だけど良いことしなきゃとは思わないな。私たちみんなお小遣い持ってるけど、それで兵隊さんがすっごく助かるとは思えない。お母さんにもあんたたちにもなんにも期待してないけど、ウンディーネだけは自分で買いたいなあ。ずーっと欲しかったの。」ジョー、もとい本の虫が言った。

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