感想
……唖然。
ちょっと、え? 何これ…….。やっばい。ちょっと……、えぇ??? す、すごすぎるんですが??????? ほんと、うん、えぇ??? す、すごぉ……。
– 休憩 –
冷静に書いてみる。まず、絵柄が性癖のドツボにはまる。絵が、本当に、全部良い。「真実の本」や「ヘビ」、「ポク」など各キャラデザが抜群に良いのに加え、緩急の付け方が癖になる。ずーっと緻密な絵というわけでないからこそ、見せ場での演出の迫力が増す。特に、pp.197-198の「真実の本」脱皮の瞬間の鉛筆(?)で描いたような柔らかかつ迫力のある絵がもうたまらん。それまでも十二分に最高だったのだけれども、この見開きで私の中の臨界点を越えた気がする。
そんで次にストーリーも良い。ビブリオマニアが高じるあまり、生きた人間をそのまま文字にし、ある種文字通りの生き字引を取り込むことを幸福とする「真実の本」。たとえ誰も読んでくれる人がいなくとも、ただただ彼女は情報を取り込み、文字を書き続ける。もはや目的も手段もぐちゃぐちゃに混ざり合ってしまっているのだけれども、そこに一種の恍惚と哀愁を同時に感じられて、読者としても情緒がぐちゃぐちゃになる。一言では表せない、というかどれだけ言葉を紡いでも言い表せないアンニュイでアンビバレントな良さがあるのだ。
で、何よりも驚いたのが、紙になっていない。しかもどうやらマンガハックPerryは、個人で電子書籍を出版できるサービスだそうで、とどのつまり出版社から販売されているものではないのだ。こんっなすっごい作品が、紙どころか、電子からも出ていないんですか??? マジ??? ほんとに信じられん。
いや~~~~~~~~ほんと、出会えて良かった。読めて良かった。読書会の開催noteを書いてた時に、ええ感じの引用できんかなと思ってたまたまタイトル買いしたのだけれども、予想以上だった。ほんと、良かった。すごかった。