もうじきたべられるぼく

もうじきたべられるぼく

はせがわゆうじ

中央公論新社

感想

 BEASTERSの蛾がブチ切れそうな内容。あまりにも露骨すぎて、著者の姿が透けてしまっているように感じた。確かに命を頂くというのはそれくらい重たいことなのだけれども、とはいえ牛をそのまんま人間のように描写するのは、少し雑な気がしてしまう。牛の、牛としてのありのままの生を描いてくれたほうが、不純物なく読めるのではないだろうか。

 とはいえ、今すっごいメンタルの悪いので、単に性格がいつも以上に歪んでしまっているだけかもしれない。というかそうである。役職はチームリーダーなのに、仕事内容は新卒の単純作業。しかも実機に触れず、インターネットが繋がらないから勉強すらさせてもらえず、一体どうしろという話である。流石に仕事だからやることはやるけれど、それにしたって、なんだかなあという感慨しかない。

 こんな感じで心がささくれ立っているときにこういう演出された暖かい話を読んでも、心は荒むばかりである。これはもうしゃ~ないね。