
アイドリッシュセブン LIVE COSTUME EXHIBITION (@池袋サンシャインシティ)
あまりにも私の生きる世界と様相が異なっていたので備忘録。
【経緯】
12月某日。
高熱に伏す彼女。
看病をしていると、うわごとのようにつぶやく。
「銀テが……ほしい……」

銀テ:銀テープ。ロゴやイラスト、文字列がプリントされている。何等かのライブの際に演出として噴射されたり、特典として得られたりすることがある。
どうやらその日、彼女が応援している二次元アイドルグループ「アイドリッシュセブン」のライブで使用された衣装を観覧できる展示会があるらしい。私は彼女の意志を継いで、推し「逢坂壮五」の銀テ(と缶バッジ)をゲットすべく池袋サンシャインシティへ向かった。
【行ってみた】
闇市だった。
交換スペースと称された部屋に、ところせましとファンの方々が並んで、屋台を開いている。銀テと缶バッジが売り物として出され、貨幣でなく当人の推しで交換可能となる旨を自前のホワイトボードに書いている。
一方で私のような、店を開くほどの銀テと缶バッジを持ってない人(そもそもなんで店を開けるほど持ってるの?)は、店をぐるぐると廻る。ただひたすら、死滅回遊のごとく、自分が倒れるか、相手が倒れるまで廻る。
果たして今は令和なのだろうか。私は自身の立っている場所がよくわからなくなってくる。推し活というのは本来余暇の活動であるはずなのに、推しの銀テと缶バッジを求めて闇市を開くこの人たちの眼光はどうして鋭いのだろうか。
私は未だに「推し」という概念が理解できていない。だから、今回のような交換所も、闇市にしか見えない。しかし、オタクたちの推し活は本来、こうした汗と汗と涙で成り立っているものなのだろう。私の知らない世界の一端を少しだけ垣間見た、そんな経験だった。
【余談】
展示自体は普通に良かった。歴代ライブでの衣装が飾られていて、それを間近で見られる。私でも「すげ~~、こまけ~~」と感心したので、ファンにとっては垂涎ものだったに違いない。なんだかんだ良い経験だった。