アナロジー思考/ 細谷功, 東洋経済新報社(2011)
【本編】
CCIEを勉強している中で、断片的な、部分的な知識は溜まっていくものの、それらを体系的にまとめあげる能力が私には欠如しているなともどかしく感じていて、どうにかできんものかと考えていた。
この本はそういうふうに考えていた時に出会った。
アナロジー、つまり類推である。
これを活用することで、頭の中で散らばっていた知識がアナロジーのもとにまとまってくれるのではないかと考えた。
冒頭にこうある。
本書の独自性は以下にあると考えている。
まず1つ目は「アナロジー思考」をメインテーマとして徹底的にそのメカニズムと具体例を1冊丸ごと使って解説することである。
アナロジー思考/ 細谷功, 東洋経済新報社(2011)
よくも悪くも言葉通り「メカニズムと具体例を1冊丸ごと使って解説」している。正直個人的には「悪い」印象が強かった。
なぜなら↓こういう図が10ページに1回くらいの頻度で登場するからだ。
ビジネス書なのでさしたる期待はしていないが、「解説」というよりも「具体例の列挙」のほうが説明として適切なように感じるほど、とにかく具体例が多く、アナロジーそのものへの考察は浅く、少ない。
もしかすると、この本で紹介されている膨大な具体例を元手に、自分自身で帰納/演繹を行い、アナロジー思考を身につけろというメッセージなのかもしれない。だとすると、私の読みは浅いことになる。
また、この本は初版が2011年でもう12年前になる。おそらく、アナロジーという言葉が世間一般に浸透していなかったのだろう。
私はこの本を知るよりも前からアナロジーや類推という言葉を知っていたわけで、この本が対象にしている読者とはずれているようにも思える。せめて、もう少し実践的な、どのようにして類推という行為を円滑にさせるかについて書いてある本を読むべきだった。