プロジェクト・ヘイル・メアリー上
アンディ・ウィアー, 小野田和子(2021)
早川書房
要約
アストロファージ、それは恒星のエネルギーを餌に生きる微生物。この微生物は太陽の温度を指数関数的に下げ、約30年後には地球に氷河期が訪れると試算される。救いの鍵は、地球から遠く離れたタウ・セチにあった。その恒星だけ唯一、アストロファージの標的になっていないからだ。主人公はアストロファージを燃料とした宇宙船ヘイル・メアリー号に乗り、地球を救うべくタウ・セチへ向かう。そして、そこで出会ったのは、地球と同じようにアストロファージに悩まされる惑星「エリダニ40」に住む地球外生命体だった。
感想
掛け値なしに面白い。特に、エリディアンのロッキーと出会ってから互いの言葉を解明し、体組成を共有する過程がとにかくわくわくする。
私が最近読んだSF作品に「息吹(テッド・チャン)」がある。本作にせよ息吹にせよ、SNSでおすすめされていたから手にとったのだが、きっかけが同じだっただけに、本作も息吹のように何かしらのメッセージ性が込められていると思っていた。
しかし、私のあまりにも少ないSF小説知識で考えるならば、傾向としては「星を継ぐもの(J・P・ホーガン)」に近いように感じた。エンタメ100%。
だからこそ正直、これ以上書くことがない。
面白いんだけど、それ以上に私のフックに引っかかるものがない。面白いんだけど。
まあ、前半だからということもあるかもしれない。後半に期待。
余談
ほんっとに些細なことなんだけど、「ワォ」って翻訳だけ、どうにかなんなかったのかなあ……。文句ってほどでもないし、面白さが損なわれるようなことは断じてないんだけど、ますだおかだがすっごいチラつくんだよなあ……。
ワォ!!!!!!!