はじめての浅井音楽@本屋イトマイ 感想

家宝

感想1

とてもよかった。

「しゅうまつのやわらかな、」の文章ほど
癖のある方でもなく
むしろ臨床心理士的な
淀みない、かつ丁寧な言葉選びが
とっても心地よかった。

具体的な内容では、店長さんの
「読んでも15分経つと忘れるけど
読んでる間はなんだか響く」
という言葉が印象に残っている。
(浅井音楽氏のトークイベントでは……?)

実際、この感想文を書いている今でさえ
もうその内容を忘れかけている。
でも、良い時間だったということだけは
はっきりと、しっかりと覚えている。

それから、サインを書いて頂いたときに
少し会話出来たのが嬉しかった。
相変わらずのコミュニケーション不得手により
思い返すのが恥ずかしいけれど
ふかふかクッションみたいに
吸収してくれる感じが
沼だなと思った。
たぶん、あと10分話せる時間が長かったら
惚れ込んでる。

イベントの雰囲気としては
ココロジーから知った人もいれば
ポムポムプリンから入った人もいて
客層は十人十色だったけれど
みんなしっとり聴いていて
「しゅうまつのやわらかな、」を
読んだ人に共通する
何かが感じられたような気がする。
(私の好きな言葉で表すなら
<利用縁>を感じられた)

総括すると
サインに「やわらかに🦀」と書く人なのに
(私は「たおやかに🦀」と書いてもらった)
むしろ私の心に鋭く刺さった気がする。
内容如何を問わず
ただなんとなく話を聴いていたい
そう思える人だったし
そう思えるイベントだった。

行ってほんと良かった。

感想2

「しゅうまつのやわらかな、」
を執筆するにあたり
「そのままで、ありのままでいいんだよ」
ということを
直接言わずに伝えたいとおっしゃっていた。
直接言ってしまうことで
取りこぼすものがあるのではないかとのこと。

これを聞いたとき、ハイタッチしたかった。
本当にその通りで、方向性は異なるけど
「積読」という言葉に同じものを感じている。
最近、本を買いつつ読まないことに対して
とりあえず「積読」と言う
免罪符みたいな扱いが散見される。

積読が本を買って読まない行為への
肯定になるのは確かなのだけど
それを便利ワードとして口にしてしまうと
零れ落ちるものがあるのではないだろうか。
(これに近いことを百年の二度寝の店長さんが
Twitterで言っていた気がするが、見失った)

あと
スマートシティはなぜ失敗するのか
(ハヤカワ新書)/ シャノン)
でも似たようなことが語られていたと思う。
ダッシュボードで
街を定量的に管理することによって
そこに映らない生の情報が
取りこぼされてしまうというもの。

私が氏の文章を好きな理由は
「語られないことによって語られること」
を書いているからかもしれない。
語ることによって、何が語られていないかまで
想いを馳せられる人なわけで
そう考えると
いつも世界に怯えている手袋含め
なんだかでっかい姿に見えてきた。

感想3

サインを頂くとき
本名か「福寿」かでめちゃくちゃ迷った。
結果、「福寿」にした。

今までハンネをころころ変えてきたけれど
もう、変えられなくなったような気がした。

福寿として生きるには
「福」も「寿」も全然ない気がするが
ベストエフォートで頑張りたい。
マキシマムエフォートは、ちょい厳しい。