チーム 2

チーム 2

堂場瞬一

実業之日本社文庫

感想

 多作の弊害を感じる。たぶん、堂場瞬一は自分の書いた作品を事細かに覚えていないし、あんまり読み返してもいないのだと思う。そうでないと、本作のブレブレぶりは起こり得ないと思う。

 特に、浦の言動の一貫性・整合性のなさに辟易する。7年前の駅伝で山城にセーフティ・リードを作ってもらった上で負けたことを「負債(p.59)」とし、それを「まだ返し終えていない気がする(同頁)」と言っておきながら、彼は東海道マラソンでは嘘をついて山城をそそのかし、キャリアを壊すような怪我を誘発させる。

 そうした背景がある中でま〜た「一度くらい、他人のために走ってもいいんじゃないか?(p.300)」と山城に言えるのは、だいぶ恩知らずでむちゃくちゃである。直後に山城は「俺は一度、他人のために走った(同頁)」と返しているからまだ溜飲は下がるものの、結局全実に出てほしいとお願いする浦の姿は厄介ファンそのもので、あまり気持ちの良いものではない。

 こういう事情でキャラに感情移入できずにいた上で、物語が長い割にダイジェストっぽいからあまり楽しくない。特に、浦が監督として参戦する学生連合は、後日譚としてはあまりに熱い展開である。だのに、彼の所属大学の選手くらいしかフィーチャーされず、あっさり終わってしまう。せめて、学生連合と山城の物語それぞれに400頁(チーム1分)書いて、じっくりと楽しませてほしかった。

 チーム4が面白いらしく、そのために読み進めているものの、暗雲が立ち込めていてかなり不安である。なんてったって中心人物である浦をあまり好きになれていないのだから。なまじ1巻が面白すぎただけに、ハードルが上がっているのもあるかもしれない。頼むぞ、堂場瞬一……!!!