世界 2026年3月号

世界 2026年3月号

岩波書店

感想

●装丁すること一日一冊四〇年(鈴木成一)

 い〜〜〜な〜〜〜。私も装丁やりたいな〜〜〜。ちょうど今日、仕事がすっごい嫌になる出来事があったので、す〜っごく羨ましい。創作でお金を稼げたらなあ、でも稼げるようになっても苦しいんだろうなあ。鈴木成一さん、すごいなあ……。

●モンロー・ドクトリンの歴史的水脈(中嶋啓雄)

 ドンロー主義の振る舞いは、祖となるモンロー主義の系譜から逸脱しておらず、むしろ着目するべきは軍事介入した国々がその後軍を掌握して独裁政権に発展することだと言う。ニュースの補足になり、かつ歴史を学ぶ意義を感じられる良い記事である。

●積極財政ポピュリズムの結集点(井出英策)

 このように、ポピュリズムは放縦な財政運営を入口として極端主義を招来し、民主主義に死をもたらす危険がある。だが、絶望するのはまだ早い。世界恐慌期のアメリカではポピュリズムに対抗するなかでニューディール政策が構想され、社会保障法が成立した。戦後福祉国家への道もまた、ポピュリズムによる化学反応の結果であり、歴史の転換点におけるひとつの選択肢だったのである。

p.53

 自民の大勝で終わった衆議院議員選挙。筆者はどう捉えるのだろうか。ポピュリズムへの対抗として社会保障が成立したとあるが、中道改革連合が惨敗した今、対抗する組織は存在するのだろうか。選挙直後(2/9記)というのもあるだろうが、暗澹たる思いは拭えない。

 とはいえ結局粛々とできることをやるしかないのは、たとえ自民が惨敗したとしても一緒。本を読み、人と話し、自分ごとの範囲を広げてみんなで幸せになる道を模索する。別に私は政治家でもなんでもないけど、そうすることで結果的に私も幸せになれると思っている。

 ともあれ「政策の全体主義化」はどうすれば良いのだろうか。蓋し対案がないのが問題だとは思う。というかそもそも具体的な財源についての議論がなかったのがどうかと思う。政策の全体主義化のみならず、それを受け入れてしまう世論やSNS戦略ばかりに拘る選挙活動も問題なのだろう。

 勉強不足は自覚した上で、政策の具体的な妥当性について議論したいなあというのが、現在の私の思いである。

●消費税の裏にある「インフレ増税」の罠(中園善行)

 ようやく、すこ〜しだけ、利下げとインフレと債務の関係について理解できた気がする。以下、整理しておく。

 利下げは文字通り、金利を下げること。銀行にお金を借りると、金利がつくが、その金額が低いほうが企業の痛みが減って投資が進み、事業が拡大する。株価は上がり、それを保有する投資家は喜ぶ。

 一方で円安も進む(この理由があんまりわかってない、預金という側面では金利の高い国に流れるから、相対的に金利の低い国の通貨の価値が下がることだと今のところ認識している)。円安になれば輸入品が値上がりする。例えば日本の食料自給率は30%を下回っており、円安は原材料の高騰を意味する。つまりお店に並ぶ商品の値上がりにも繋がり、一般市民からすれば実質的に家計が圧迫される。

 ただし、借金は別。実質的な金額が減ることはむしろメリットとなる。国際でも同様で、つまり国としては何もしていないのに借金が減っていくという構造になる。

 と、ここまで理解してようやっと政治に批判的になれる。なんだかなあという気分。社会は複雑で、容易に理解できるものでないのは当然なのだが、とはいえ強度の高い学習コストを払わないと批判的に選挙に臨めないのは、う~ん……。読書会の輪をもっと広げていきたいなあ。